虫歯の予防に役立つ食品
「むし歯にやなりやすい食品」と言えば皆さん、甘い物、砂糖がたくさん含まれている食べ物、飲み物を上げられと思います。それはむし歯の原因菌であるミュータンス菌が砂糖を分解し、酸を産生し、むし歯をつくることが広く知られているからです。
これに対して、むし歯になりにくくする、むし歯のリスクを低下させる食品もあります。以外に知られていないのはチーズで、中でも水分が少なく純正期間の長いハードタイプのチーズは、むし歯のリスクを低くする食品としてWHO(世界保健機関)が認めています。
これは、チーズの中にリン酸やカルシウムが多く含まれていることによります。リン酸はだ液が酸性状態(歯の表面が溶けてむし歯になる状態)に傾くのを防ぎます。またカルシウムがだ液に多く供給されると、歯の表面が少し溶けても再び硬い歯質に戻る(再石灰化)のを助けます。キシリトールや食物繊維もむし歯予防に役立つ食べ物として挙げられていますが、チーズほどではないようです。
このようにむし歯と食べ物には関連がありますが、その摂取方法も大きな要素です。甘い物(飲料も含めて)を、1日に何回もだらだらと摂取する生活習慣がむし歯のリスクを高めます。何をいつ食べるのかにも関心を向けて、むし歯になりにくい食習慣を身に付けることも、むし歯の予防には大切です。
定期的な通院のすすめ
以前は、歯医者さんへは歯の具合が悪くなってから行くものと考えられがちでしたが、近年、歯科医院へ定期的に通院している方もかなり多くなってきました。一般的にむし歯や歯周病で自覚症状が出てくるのは、かなり病気が進行してしまってからです。病気が重症化してからの治療ではどうしても時間を要したり歯を抜かなくてはならかったりするケースが出てきます。このような重症化を防ぐのに、定期的な歯科診療は有効です。
むし歯や歯周病は口腔内に常在する細菌によって引き起こされる病気であり、完全に発症をなくすことは不可能です。残念ながら、たとえ定期的に歯科に通院したとしてもむし歯や歯周病に全くならなくなるということはありません。けれども、自覚症状のない間にチェックを受けることでむし歯や歯周ぱょうの初期病変の発見や経過観察、ブリッジや入れ歯の状態確認、場合によっては口腔がんなどの疾患の早期発見などができます。
例えば初期のむし歯が見つかれば、ブラッシング指導や糖分摂取指導、フッ素塗布などを行って再石灰化をはかる。軽度な歯肉炎があればブラッシング指導と歯石除去で改善することができます。いずれも比較的簡単な治療です。また、定期健診をきちんと受ける方ほど口腔への関心が薄れないため口腔衛生状態がよく、経年的な歯の喪失も少ないことが報告されています。
年に1、2階が一般的ですが、それぞれの方のお口の状態や生活習慣などにより間隔を短くしたり長くしたりすることもあります。まだ定期的な通院をしていない方は一度、歯医者さんでご相談されてみてはいかがでしょうか?