院長ブログ

ご質問より:思春期歯肉炎・服薬について

思春期歯肉炎

Q:歯みがきの時に歯ぐきから出血するようになりました。なるべく血が出ないように磨こうとしていますが、なかなか治りません。口臭もするように思います。歯周病でしょうか?(17歳女性)

A:思春期はホルモン分泌が増えたり、生活のリズムが変化することによって歯肉炎がおこりやすくなる時期です。さらに中高生になって部活動や勉強が忙しくなると、どうしても歯みがきがおろそかになりがちです。この時期の歯肉炎は「思春期性歯肉炎」と呼ばれます。

ホルモンの中でも特に女性ホルモンは歯肉の炎症を助長するといわれており、妊婦によくみられる妊娠性歯肉炎にも関与しています。しかし、思春期性歯肉炎は男子にもみられることから生活習慣や口腔衛生状態の悪化が大きな原因と考えられています。思春期の方で歯みがき時の出血や口臭、歯ぐきの赤い腫れなどはそのサインになります。

主な原因は歯についた歯垢ですから、なるべく血が出ないようにそっとしか磨かないことはむしろ逆効果となります。必要以上に強く磨くことはいりませんが、確実に歯垢を落とすことが大切です。ですから歯ブラシに少し血がついてもきちんと磨くようにしてください。きちんと歯垢を落とせているかを確認するため市販の歯垢染色液を使ってみてもよいでしょう。歯肉炎の場合は、きちんと歯みがきができる様になれば1週間ほどで血は出にくくなります。

歯並びが悪くて磨きづらい部分があったり、歯石がついてしまっていて、いくら磨いてもきれいにならない場合にはかかりつけの歯科医院でブラッシング指導や歯石除去をしてもらいましょう。また、まれにではありますが、侵襲性歯周炎といわれる比較的若いうちに発症し、急速に進行する歯周病もありますから、症状が続く場合も歯科医院を受診されることをお勧めします。

服薬について

Q:歯科医院で腫れと痛みの治療を受けた後、内服薬を処方され3日間服薬するように言われましたが、翌日、腫れも痛みも取れました。まだ薬を続けなければいけませんか?

A:できれば、指示されたとおり服用を続けてください。薬は一人一人、患者さんに合った用法、用量が考慮されて出されています。腫れや痛みが軽減しても細菌が原因となっている場合は、それを死滅させるために抗菌薬が出されますので、一定期間服用を続けないと効果がありません。自己判断で中断すると、耐性菌を増やしてしまい、かえって治りにくくなることがあります。

また抗菌薬と共に、医薬や整腸剤が出されることがあります。抗菌薬によっては腸内常在菌が減り下痢を起すことがります。それを軽減するために併用薬として出されます。これも抗菌薬の特徴や、患者さんの体調を考慮して処方されているものですから、指示通り使うようにしてください。

早く治りたいと倍量飲んだり、多めに一度に服用するなど、危険ですので絶対しないでください。用法、用量はきちんと守りましょう。

また頓服薬(痛みを感じた時に使う薬)が出ている場合、痛みを我慢してから使うより、痛いかなと感じたら、早めに服用する方が効果的です。もし内服薬で不快な症状が出たら、迷わず主治医に相談してください。常時服用している薬があれば、処置を受ける前に必ず申告するようにお願いします。

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