デンタルフロスと歯間ブラシ
むし歯(う蝕)も歯周病も歯垢(デンタルプラーク、細菌の塊)が原因です。歯のどの部位に歯垢がついているかは、歯垢染色液を使えばよくわかります。そして口腔清掃の状態は全体の歯面の何%に歯垢がついているかをカウントする、プラークスコアによって評価するのが一般的です。当然このスコアが低いほど歯垢がよくとれている、歯磨きが上手くできているということになります。
歯の清掃に関心がある方はご存じと思いますが、一般的な歯ブラシ意外に歯と歯の間(歯間部)を清掃する器具にデンタルフロスと歯間ブラシがあります。というのは、いくらうまく歯ブラシで磨いても、歯間部には20~30%の歯垢が残ってしまうことが多いのです。デンタルフロスや歯間ブラシは補助清掃器具とよばれ、歯ブラシと併用して上手に使うとプラークスコアを10%以下にすることにできます。つまりう蝕や歯周病のリスクを下げることができると考えられます。
デンタルフロスには糸巻きタイプと柄つきタイプ(糸ようじなど)がありますが、柄つきタイプの方が初めての方には使いやすいでしょう。フロスは歯と歯の間に強くパチンと入れると歯ぐきを傷めますので、のこぎりを引くようにスライドさせて入れ、歯面に沿わせて動かしてください。歯間ブラシは効果的な器具ですが、サイズの選択が難しいので、どの部位にどの歯間ブラシの使用が適当なのか、歯医者さんで相談するのがいいでしょう。いずれにしても、詩幹部の清掃は口腔衛生の維持のためには重要な部分ですので、専門家のアドバイスを受けられることをお勧めします。
洗口剤の効果
洗口剤は液状のうがい薬で、塩化セチルピリジニウムやポピヨンヨードといった殺菌作用のある薬剤が配合されていて、むし歯や歯周病の原因である歯垢(デンタルプラーク)の形成を抑制するとされています。また口臭予防効果もうたわれています。
歯垢は、歯の表面に多数の種類の細菌が集団となって付着している細菌の塊です。そして、その塊は細菌だけではなく、細菌が作り出した水やだ液に溶けないネバネバした多糖類をその周りに形成し、まるで鎧をまとっているとたとえられる構造を持っています。このような構造を持ち細菌の集団は、細菌バイオフィルムと呼ばれています。歯垢はブクブクうがいでは歯の表面からはがれず、洗口剤の薬剤も内部まで浸透しないので、洗口剤だけで破壊することはできません。この細菌バイオフィルムを用いて機械的に取り除く必要があります。ですからプラークをやっつけるには、ブラッシングが一番効果があります。洗口剤のはたらきは、うがいにより口の中の細菌を減らすことができるので、いったん歯垢が除去された後、再び歯の表面に歯垢が蓄積することを抑制することができます。
洗口剤は口臭をなくす効果がありますが、これはメントールのような香味剤の働きが大きく、口臭の原因である歯垢や舌苔を取り除くものではないので、一時的な効果にとどまります。このように、洗口剤は歯磨きと併用する補助的な使用が望ましいと考えられます。