歯の豆知識

歯の生え変わりはなぜ起こるのか

こんにちは、皆さまは乳歯から永久歯への歯の生え変わりのメカニズムはご存じでしょうか? 今日は歯の生え変わりについて詳しくご説明します!

誰もが経験する歯の生え変わり。乳歯から永久歯へと変化するこのプロセスには、実は体の成長と密接な関係があります。小さな体には小さな歯、そして成長した体には、より大きく丈夫な歯が必要となるのです。

今回は、歯の生え変わりがどのようなメカニズムで起きるのか、わかりやすく説明してみましょう。

■小さな顎に合わせた乳歯の役割

生まれたばかりの赤ちゃんには歯がありません。それは、まだ顎が小さく、歯が生えるスペースがないからです。生後6ヶ月頃から顔の下半分である顎の成長と共に、乳歯が生え始めます。そして、約3歳頃までに上下合わせて20本の乳歯が揃い、食事をしたり、言葉を話したりするのに必要な機能を果たします。

乳歯は永久歯に比べて小さく、エナメル質(歯の表面を覆う硬い層)や象牙質(エナメル質より内部で神経を守る層)も薄いため、永久歯ほど硬くはありません。

しかし、これは決して欠点ではありません。乳歯は、永久歯が生えてくるまでの間、顎の成長を助け、永久歯が正しい位置に生えるためのガイドとしての役割も担っているのです。

■成長と共に変化する顎と歯のバランス

乳歯が生え揃う頃には、顎の中で永久歯がすでに形成され始めています。そして、体が成長し、顎が大きくなるにつれて、永久歯が生える準備が整います。永久歯は乳歯よりも大きく、数も多いため、成長した顎骨に合った大きさが必要となるのです。

もし、乳歯のままだったらどうなるでしょうか? 成長した顎に対して乳歯では小さすぎ、歯と歯の間に大きな隙間ができてしまいます。そうなると、食べ物をしっかり噛むことができず、顎や顔の骨の成長にも影響が出てしまう可能性があります。また、発音が不明瞭になったり、見た目の問題も生じるかもしれません。

■永久歯へのバトンタッチ

永久歯が生えてくる時期になると、乳歯の根っこは徐々に吸収され始めます。これは、永久歯がスムーズに生えてくるための準備です。乳歯の根っこが吸収されると、歯はぐらぐらし始め、やがて自然に抜け落ちます。そして、その後に待機していた永久歯が顔を出します。

永久歯は乳歯よりも大きく、エナメル質や象牙質も厚いため、より丈夫で、噛む力も強くなります。また、乳歯は20本でしたが、永久歯は親知らずを含めると32本に増えます。これは、大人になってからの複雑な食生活に対応するため、そして一生涯自分の歯で食事を楽しめるようにという体の仕組みなのです。

■生え変わりの時期の注意点

永久歯に生え変わる時期は、個人差がありますが、一般的  には6歳頃から始まります。最初に生えてくるのは、奥歯の6歳臼歯と呼ばれる第一大臼歯です。6歳臼歯は乳歯の奥に生えてくるため、磨き残しが多く、虫歯になりやすいので注意が必要です。

また、乳歯が抜けた後、永久歯がなかなか生えてこない場合や、乳歯が抜けない場合は、歯科医院を受診しましょう。抜けない乳歯は放っておくと、永久歯が正しい位置に生えてくる妨げになり、正しくない角度や位置に歯が生えてくることにつながりかねません。これは正しい歯並びや噛み合わせに影響が出る可能性があります。

不安がもしあったら、最寄りの歯科医院に相談してみましょう。場合によってはレントゲンなどでの診断も可能です。

■一生使う歯だからこそ

歯の生え変わりは、体が成長する過程で、顎の大きさと歯のバランスを調整するために起こる自然な現象です。

乳歯から永久歯へと、一度だけ起こるこの貴重なプロセスをスムーズに、そして健康的に過ごすために、日頃から歯のケアを心がけ、定期的な歯科検診を受けるようにしましょう。

永久歯は一生涯使う大切なものです。毎日の歯磨きと適切なケアで、いつまでも自分の歯で美味しく食事ができるように、歯の健康を守っていきましょう。

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