院長ブログ

口腔筋機能療法・歯並びと矯正治療

こんにちは~ 泉田歯科医院です。9月になりました。少しは涼しくなるでしょうか?

口腔筋機能療法

現代の歯科矯正治療においては形態と機能の改善が求められています。すなわち、単に歯の並びにとどまらず、顔の中で口が、そして歯が調和のとれた働きをできることがポイントになります。口の中で歯の位置は、歯列を囲んでいる口の周りの筋肉や舌などから受ける力の影響を受けています。

いわゆる良くない噛み合わせのなかには、指しゃぶりや舌癖などのように口の周りの筋肉や環境と密接に関連しているものもあります。たとえば、普段、本を読んだり、テレビを見ているときに口をポカーンと開けて上下の歯の間に舌が出ていたり、ものを飲み込む時に舌を突き出し、歯を押すような癖を舌壁といいます。

舌壁のある人は、いつも舌が口の中の下の方や前の方にあり、歯を押していますが、このときには、更に押し出す強い力が歯にくわわります。舌壁のある人はいつも口を開けているため、舌が内側から歯を押す力に対し、外側から歯列を押さえるくちびるやほおの筋肉に力がありません。舌壁が原因で出っ歯になったり、歯と歯の間にすき間が開いたり、上下の歯がかみ合わない歯並びになることがあるわけです。

口腔筋機能療法とは、指しゃぶりなど二次的に生じた舌壁や口呼吸により緩んだくちびるを舌や口唇の訓練によって調和のとれた状態に改善する治療法で、口の周りの筋肉や顔の筋肉も訓練することにより、口のよりよい働きや歯列の安定を目指すための療法です。最近では、高齢者への口腔機能のリハビリテーションへの活用など、その重要性が認識されつつあります。

歯並びと矯正治療

歯並び

『9歳の息子が歯科検診で歯並びが悪いという指摘を受けました。すぐに治療をしないといけないですか?』とのご相談がありました。9歳ということですが、この時期は未だすべての乳歯が永久歯に交換しているということではなく、お口のなかに乳歯と永久歯が混ざっている時期になります。

ひと口に歯並びが悪いと言っても、一人一人それぞれに状況が違っています。本人も、お家の方も気にしていなくても、歯科検診で指摘を受けることがあります。まず、一度かみ合わせを見てあげてください。今まで気にしていなかった場合、少しショックかもしれませんが、多くの場合は何らかの歯並びの不調和があるはずです。

歯並びの治療(歯科矯正治療)はほとんどの場合、緊急を要することはありません。ただ、この時期に治療をしておくことで、将来に起こってくる問題を小さくできる、あるいは解決することが出来ることも少なくありません。噛み合わせの不調和の不調和としては「受け口(反対咬合)」「乱ぐい歯(叢生)」「上の歯がでている(上顎前突)」「上下の歯がきちんと噛んでいない(開咬)」「真ん中がすいている(正中離開)」、その他いくつかの要素が重なっているなど状況も程度もさまざまです。

むし歯などの指摘を同時に受けている時には、まず、かかりつけの歯科医院でむし歯治療の際にご相談されると良いと思います。早めに矯正治療を始めた方がよいのか、あるいは急ぐ必要はないのか、助言がいただけると思います。

また、問題が複雑な場合は、矯正治療を専門に行ってる歯科医院などの紹介をいただけると思います。急ぐ必要のない場合でも、定期検診でかみ合わせをチェックしていただくほうが良いでしょう。

矯正治療

矯正治療するとむし歯になるってほんと?!

矯正治療の装置そのものが、むし歯を作ることはありません。むし歯ができやすいかどうかは、むし歯菌(デンタルプラーク)の数、だ液の量と質、飲食の種類と回数、歯垢(デンタルプラーク)の蓄積の程度、フッ素の使用状況など、生活習慣と密接に関連しています。

むし歯予防のためにしっかりと歯磨きをするということは矯正治療中も、同じです。ただ、調整の装置(特にワイヤーで代表される固定式のもの)が入ると、確かに十分に歯みがきをすることがかなり難しくなります。すなわち、歯垢を磨き残しやすくなると言えます。

装置を入れる前に十分な歯みがき指導を受け、歯ブラシの毛先を上手に使えるようにすることや、矯正用の歯ブラシや円すい形の歯間ブラシを使っていただくなど、日々の生活の中でお口の清掃状況への十分な動機付けが行われることは大変重要です。

フッ素入りの歯磨き剤の使用やフッ化物の塗布も効果的です。間食の回数や種類といった生活習慣も大事な要素です。また、毎回の治療の際にお口の清掃状況を確認してももらうことはもちろん重要なことであり、約束の治療日をいたずらに変更し延ばしたりすることはよくありません。

矯正治療をお受けになる場合は、矯正治療とともに正しく効果的な歯みがきの習慣を身ににつけ、むし歯や歯周病の無いきれいな歯並びを獲得してください。

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