院長ブログ

インフル予防と歯磨き・骨粗鬆症と歯科治療

インフル予防と歯磨き

例年、冬が近づいてくると風邪やインフルエンザが流行ってきます。風邪は「引く」と言い、「罹る」とは言いません。平安時代には、自然現象の中にはいろいろなところに邪気を潜んでおり、風邪は「風の中の邪気」を身体に「引き入れる」ことでなると思われていたようで、風を引き入れることを「風を引く」と表現するようになったそうです。鎌倉時代になると「風」に「邪」という字をつけて「風邪」と呼ぶようになり、明治時代になって「風邪」と読むようになりました。

インフルエンザの主な感染経路には、感染者のせきやくしゃみによって放出されたウイルスを他の方が吸い込んで感染する「飛沫感染」と、ドアノブなどを介して、ウイルスが付いた手をよく洗わずに食べたりすることによって感染する「接触感染」があります。

ウイルスはさまざまな所に付着し、また、冬場の乾燥した空気中には長く滞留します。ウイルスの感染力は2~8時間継続すると言われており、それがお口を入り口として体内に入り感染の引き金となる場合があります。

インフルエンザウイルスは、気道の粘膜に付着して増殖すると考えられていますが、粘膜にはウイルスが付着できないようにたんぱく質のまくがあり、その侵入を阻害します。ところがお口の中のある酵素はこの膜を破壊し、ウイルスの付着を助けてしまいます。この酵素は口腔内の細菌が作り出すため、日々の歯磨きをきちんと行い、この酵素の発生を抑えることがインフルエンザの予防につながるのです。

近年、歯磨きは免疫力を高め、成人病や認知症の呼ぼうにもつながるなど様々な効果が解明されてきました。毎日の歯磨きの習慣を大切にしましょう。

骨粗鬆症と歯科治療

ご存じのように団塊の世代が年を重ね高齢社会を形成し、健康診断等において骨粗鬆症と診断されるケースが少なくありません。

この骨粗鬆症とは、加齢に伴い骨質や骨密度が低下して骨の強度が低くなり、軽い転倒でも骨折を起こしやすくなる病気を言います。骨粗鬆症自体にる自覚症状はほとんどありませんが、背骨の変形や腰痛が生じたり、骨折を起こすと寝たきりになってしまうこともあります。

骨粗鬆症は、閉経による女性ホルモンバランスの変化や栄養のアンバランス、運動不足など、さまざまな要因による骨代謝の異常により生じることがあります。

この骨粗鬆症の治療に使われるお薬として、ビスフォスフォネート製剤やデノスマブなどがあります。これらの薬剤の重大な副作用として、まれに顎骨壊死(あごの骨が腐る)を起こすことが知られています。歯科治療において、抜歯やインプラント治療等の骨に外科的な治療を受けた場合に、通常なら自然治癒するところが、薬の影響で顎骨壊死を起こしてしまうことがあります。ただ、すべての歯科治療で問題が起きるわけではなく、虫歯治療や入れ歯治療などには支障はありません。

これらのお薬は、投与する前に説明を受けているはずですが、患者さんははっきり理解されていない場合もあります。歯医者さんで抜歯やインプラントなどの外科的な治療を受ける患者さんは、骨粗鬆症のお薬を服用されてい居るかどうかを担当の医師、歯科医師または薬剤師にお問い合わせください。もちろん、これらのお薬をの飲まれている場合は必ずお薬手帳を提出するか、担当の歯科医師にお申し出いただきますようにお願いいたします。

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