院長ブログ

インプラントも歯槽膿漏になる?・インプラント治療

■インプラントも歯槽膿漏になる?

スウェーデンにあるルンド大学の教授であったブローネマルクが、1952年にチタン金属が拒否反応を示すことなく骨と結合すること=オッセオインティグレーション=を発見し、その後イエテボリ大学にて研究し、純チタン製のデンタルインプラント(以下インプラント)を開発しました。65年には純チタン製のインプラントの臨床応用が開始され、今現在50年余りが経過します。

彼の功績は、ノーベル賞にも値し「デンタルインプラントの父と呼ばれたのですが、2014年12月20日享年85歳でこの世を去りました。

現在、フローネマルク教授が開発したブローネマルクシステムを基に、世界中でさまざまなインプラントが開発され、その数は100種類以上、コピー品も含めると300種類を超えるとも言われています。

今では、これらのインプラントも多くの患者様に受け入れられ市民権を得るようになりました。その構造もまた先に述べたオッセオインティグレーションをさらに強固なものとして進化を成し遂げ、顎骨の中での安定性と成功率を高めています。

しかしながら、歯槽膿漏(歯周病)により歯を失ったような患者さんの場合には口腔内に歯周病菌が多く存在するため、インプラント治療を行った際、再びそこにプラークが付着し歯周病菌が繁殖しやすい環境となります。つまり、インプラントの歯周病=インプラント歯周炎である感染症に罹患するのです。

これを防ぐためには、日頃から口腔のブラッシングをしっかりと行い歯周病菌を減らしておくことが重要です。気づくのではなく、今、しっかりと口腔内ケアを行うことが、将来のインプラント治療の成功につなげる秘訣であることを知っていただければ幸いです。

■インプラント治療

インプラント治療とは、入れ歯やブリッジのように歯がなくなった場所に歯を創る治療のひとつです。ブリッジは、歯がなくなった場所の両隣の歯を支えにして歯を補う方法ですが、インプラントは、骨の中に人工歯根の金属を埋め込み、その上に1本の歯を作ります。この金属の多くはチタンという材料とされています。そのため、隣の歯を削ったりする必要がありません。このことは大きな利点です。

インプラント治療と義歯やブリッジとの大きな違いは手術が必要なことです。一度骨とくっついたインプラントは簡単に変更することができません。そのため治療に入る前にはさまざまな審査が必要になります。手術の程度は埋めこむインプラントの本数や患者さんの骨の量によって違いがあります。手術に伴って、思い心臓病や糖尿病などの全身的な病気のある人は、治療前に内科の先生ともよく相談する必要があります。

また治療の費用も多くの場合は原則保険適用でないため、全額、患者さん本人の負担となります。インプラントは人工材料であるため虫歯にはなりませんが、インプラント周囲炎と言うインプラントの周りの骨が壊れる病気になります。進行するとせっかく手術で埋入したインプラントを除去することもありますので、事前に残ってる虫歯や歯周病の治療を終了させておくことが大切です。

そして、治療後も定期的に健診を受けることが重要です。

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