歳を重ねるごとに、歯はどうしても弱っていくものです。歯の本数が少なくなることは避けられません。歳を重ねたとき、残っている歯の本数が多ければ多いほど健康寿命にプラス効果があると言われています。80歳になっても20本の自分の歯が残るよう、若いうちから「8020運動」をしてみませんか?
■歯の本数が老後の生活の質を左右する?
大人は親知らずを除き、およそ28本の歯があります。歳を重ねるとどうしても減ってしまいますが、おいしく食事を楽しみ、健康的で安全な生活を送るためには、20本ほどの歯があるとよいとされています。
20本あれば食事を楽しんで食べられることに加え、歯があればあるほど身体に力を入れて踏ん張るときに噛み締めやすいというメリットもあります。転倒事故を防ぎやすくなったり、立ち上がりやすくなったりなど、生活のなかで思わぬ活躍をしてくれます。
1989年からは厚生労働省が「8020(ハチマルニイマル)運動」をスタートさせました。「80歳になっても20本の歯を残そう」という啓発運動です。平均寿命が長い日本ですが、歯が少なすぎて生活の質が落ちてしまっては本末転倒です。8020運動で若いうちから歯の健康を意識するようになれば、歳を重ねても健康的な生活を送れる可能性は高くなります。
■歯の健康は身体の健康につながりやすい
歯が健康な方は身体も健康であることが多いと言われています。これは歯をケアすることでむし歯や歯周病を遠ざけ、結果としてそのような症状を遠因とする重大な病気も遠ざけるためだと考えられます。
たとえば歯周病は糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、認知症などに悪影響を与える原因のひとつという見方があります。8020運動で若い頃から歯の健康に気を配っていれば、日頃のブラッシングや定期健診で歯周病が早期発見されてすぐに治療できたり、そもそも歯周病にならなかったりなどのメリットが生まれることは間違いありません。
■若いうちから始める8020運動
「80歳で」という単語でつい「8020運動は高齢世代の活動」と思う人もいるかもしれませんが、実際は若いうちから小まめなケアをするための啓発運動です。老後を快適にすごすため、ぜひ定期健診やクリーニングを生活の中に取り入れてみてください。
定期健診やクリーニングは老後のためだけではなく、生活の質を上げてくれます。むし歯や歯周病、口臭などのトラブルを遠ざけて、若いうちから歯の健康を保ちましょう。