院長ブログ

動脈硬化の引き金に・てごわい口腔細菌

お元気ですか? 院長の泉田です。今日のテーマは「歯周病を知ろう・動脈硬化」です。ご参考になれば幸いです。

歯周病を知ろう・動脈硬化の引き金になる?

厚生労働省によると、日本人の死因の第1位は「悪性新生物(がん)」で、第2位は「新疾患」、いわゆる心臓病です。今回は心疾患と歯周病の関係にについてご紹介します。

心疾患でなくなる方のほぼ半数は、狭心症や心筋梗塞など「虚血性心疾患」です。これは心臓全体を取り巻く「冠状動脈(冠動脈)」で動脈硬化が進み、血液の通り道が狭くなったり詰まったりして、酸素が届かなくなるのが最大の原因です。

動脈硬化の原因としては高血圧、高コレステロール、喫煙などが有名ですが、最近の研究では、こうした“古典的”な動脈硬化は全体の25%程度に過ぎないとも言われ、風邪で感染する「肺炎クラミジア」、胃がんとの関連か指摘される「ピロリ菌」などの細菌、ウイルスがあらたな脅威となっていることが報告されています。歯周病菌もその一つです。

歯周病が動脈硬化の引き金になるメカニズムは詳しく分かっていませんが、現時点の仮設では、歯周組織の毛細血管に歯周病菌が侵入することで、血液中に毒素が放出され、血流に乗って心臓まで運ばれた結果、冠状動脈の内壁を傷つけたり、コレステロールの沈着を後押しし、動脈硬化を引き起こすと考えられています。

動脈硬化を予防し、進行を防ぐには、生活習慣の改善が不可欠です。高脂肪の食生活を見直し、運動し、禁煙するだけでなく、日ごろから正しい歯みがきを心掛け、歯科医チェックを受けるなど、歯周病の増殖を抑え込むことも大切であると考えられるのです。

歯周病の予防・手ごわい口腔細菌

国民の約8割に何らかの歯周病の症状が出ていると言われています。口の中の二大疾患は、う蝕(むし歯)と歯周病で、いずれも歯の表面に付着した細菌による感染症です。ですから、歯周病の予防は歯周病を引き起こす細菌をできるだけ取り除き、細菌の出す毒素を抑え込める状態を保つことが大切です。予防の基本は歯磨きですが実はそれだけで十分ではないのです。

歯と歯のすき間は複雑な形をしており、歯ブラシだけで細菌を全部除去するのは困難です。通常の歯ブラシで取り除ける細菌は、全体の60%程度とされています。デンタルフロスや歯間ブラシなどを通常の歯ブラシと併用すれば、確かに有効です。ただ、それでも完全ではなく、歯の表面には数%から10%の細菌が残ってしまうのが実情です。口の中の細菌は手ごわいのです。

そこで大切なことは、むし歯や歯周病の自覚症状がなくても、1年に2~3回は歯科医を受診すること。歯科医や歯科衛生士などの専門家に口の状態をチェックしてもらい、専門の器具と技術で徹底的に歯を掃除してもらいましょう。たとえ毎日、掃除機をかけている家でも、盆や暮などには大掃除をするのと同じです。掃除機(歯ブラシ)が届かず、汚れ(細菌、歯垢)が残ってしまった場所を根こそぎ掃除してもらいましょう。

歯周病の予防に早道はありません。日々のケアと定期的な専門家のケアを受けることが大切です。

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