院長ブログ

美人は口元から・定期健診の勧め

美人は口元から

私たちは、誰に教わることなく瞬時に口元を含めて人の顔を認識し、その要望が標準的か否かを判断しています。「標準的な顔がすなわち美人である」とは限りませんが、口元の美しさには基準があり、その正面と横顔についてそれぞれを説明します。

まず初めに、顔を真正面から見た時の基準ですが、鼻の先から顎の下までの長さを『下顔面』、眉毛から鼻の先までを『中顔面』と呼びます。中顔面と下顔面の長さを比べた時にほぼ同じ長さかやや下顔面の方が短く、かつ、唇が下顔面の真ん中にバランスよく位置しているのが標準的だと言われています。

また、笑顔の時に上の前歯の半分以上が見え、その上前歯のそれぞれの先端を結んだラインが、きれいな弓なりの曲線(スマイルライン)となり、微笑んだ際の下唇の弓なりの曲線と一致していることも理想の条件です。

それに加えて、前歯は白く、その中心線が顔の中心と揃っていると、さらに歯と口元のバランスがよくなり、きれいでしょう。

そして、唇の厚みにも平均値があり、上唇8ミリ、下唇10ミリであると言われています。ただし、厚みは個性がありますのでおおよそ上下同様の厚みか、やや下唇の方が厚いのが標準的と思われます。

次に、顔を横から見たときに鼻の先と下顎の先を直線で結んだラインを「Eライン」(エステティックライン)と呼びます。このラインに上下の唇が沿っているか同距離で数ミリ下がっているのが、美しい横顔の基準となります。また、顔を横から見たときの鼻先と鼻の付け根を結んだラインをなす角度は、直角よりも大きい角度が理想的です。これらは、上下のあごの出具合や上下の前歯の出方によって影響されます。

顔は、主に皮膚・筋肉・骨格そして歯によって構成されています。骨格は成長期のバランスの良い発育と関係し、成人でも頬杖などによって歪みがでたりします。皮膚や筋肉は、噛み合わせのバランスが崩れると筋肉が衰えて皮膚がたるみ、唇の位置が下がってきます。

美しい顔と口元とは密接に関係していることを理解して、成長期の子供からシニア世代まで口元を美しくするために歯科医との連携が大切なのです。

 

定期健診の勧め

むし歯や歯周病は「元に戻らない病気」であることはご存じですか? 虫歯は細菌が作った酸により歯が溶かされる病気であり、歯周病は歯と歯肉の境目に繁殖した細菌に対する炎症反応により歯をささえる骨が溶かされる病気です。つまり、どちらも歯や骨という体の一部が失われる病気なのです。

では、失われた部分はどうやって治療するのでしょうか? 歯の一部が失われた場合、金属やレジンという樹脂、セラミックなどの人工物により補うのが一般的で、元に戻っているわけではありません。歯をささえる骨が失われた場合は、それ以上溶けないように進行阻止するのが治療の第一目標で、残念ながら積極的に骨をもとに戻すことは難しいのが現状です。

ただし、痛みなどの自覚症状がない、ごく初期の段階では、むし歯はもとに戻ることがあります、歯周病も骨の回復が期待できます。一般的に病気は「早期発見、早期治療」といいますが、元には戻らない病気を扱う歯科においては、「早期発見、早期予防」が大切で、定期健診が不可欠になります。

人工物での機能回復や、病状の進行阻止が歯科の主な治療とすると、治療せずに予防で食い止めることが何よりも大切になります。

さて、歯がなくなり、むし歯も歯周病も無縁になった方は定期健診の必要がないのでしょうか? もちろん、義歯にとっても、定期健診は重要です。

靴の底の減り方から全身のゆがみや体調不良が分かったり、逆に、正しい靴選びで改善されたりすることがあります。義歯も長時間使用しますから、必ずすり減り、減り方によっては、実際は噛めていなかったり、顎の骨を部分的に溶かしたり、全身の姿勢にまで影響します。

また、正しく噛めている義歯を使用していると、姿勢を維持し、認知症の発症リスクまで下げてくれることも分かってきまします。このような理由から、皆さんの現状にあわせて、3か月~半年に1回の定期健診をお勧めします。

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