突然、口から出血?
突然口から出血すると、大変驚かれると思います。
どす黒い血を吐いたり、せきを伴う多量の出血、また、どこから出ているのかが不明な場合は生命の危険がある可能性もありますので、すみやかに病院で受診してください。まずは原因を調べてもらうことがたいせつです。
出血の原因が口にある場合は、歯科医師が処置を行います。口が原因の出血は、それを引き起こす、何らかの引き金がある場合が多いようです。
抜歯を受けた後の出血は最も多い例です。抜歯の際は麻酔を使いますが、麻酔の中には血管を収縮させる成分が含まれていて一時的に出血しにくい状態になり、しばらくしてその効果が切れることにより再出血する場合があります。清潔なガーゼなどをかんで15分ぐらい圧迫しても止まらない場合は処置を受けた歯科医院に連絡してください。
また、食事がきっかけとなる場合もよくみられます。舌や唇などを誤ってかんだり、食べ物により口の粘膜が傷ついたり、熱い食べ物によるやけどでできた血腫(ちまめ)がやぶれたりすることにより出血します。
歯周病にかかっている方は歯肉に炎症があるため、歯ブラシや食べ物が歯肉に触れることで簡単に出血を起こします。このような症状がある場合は、歯科医院に受診し歯周病の治療を受けていただくことがとても重要で、これによって出血のリスクをずいぶん軽減することができます。
特に不整脈などの心臓病や脳梗塞などの治療のために血をとまりにくくする薬を飲んでいたり、血圧が高い方は気をつけてください。思わぬ大出血につながる場合があります。
最も注意していただきたいのが小さいお子さんなどが転倒しクチの中をけがして出血するケースです。このような場合は、万一すぐに血が止まったとしても軽く考えず、必ず歯科医院受診するようにしてください。
歯科医療のセーフティーネット
「セーフティーネット」とは、網の目のように救済策を張ることで、全体に対して安全や安心を提供するための仕組みのことです。社会には生活や雇用に関するさまざまなセーフティーネットが整えられ、市民の生活を支えています。歯科医療においてもそのようなセーフティーネットがあるのをご存知でしょうか。
我が国は高い医療水準と世界に誇る国民皆保険制度を兼ね添え、多くの国民がこの恩恵を享受して、いつでもどこでも安心して医療を受けることができるとされています。確かに現在では、近くに歯科医院がなくて歯科医療を受けられないという方はほとんどおられないでしょう。
けれども夜間や休日に急に歯が痛くなってしまうと大変です。一晩中痛みに耐えるものはつらいものです。また、心身に障害があって、近くの歯科医院では対応が難しいなどでお困りの方もおられます。このような場合の救済策として大阪府歯科医師会では、夜間緊急歯科診療、休日緊急診療、障がい者歯科診療を実施しています。
夜間緊急歯科診療は毎晩9時から翌朝3時まで診療を実施して、2004年6月の診療開始以来、1日も休むことなく年間5000人以上の患者を治療をしてきました。休日緊急歯科診療では日曜祝日、年末年始に診療を行い、かかりつけの歯科医院が休みの時に対応しています。
障がい者歯科診療は2012年から診療日を土曜日にも拡大して毎週火・木・土曜日の午後に行っています。障がいがあって歯科治療にお困りの方はご相談ください。また、障がい者対応のある近隣の歯科医院の紹介も行っています。
このようなセーフティーネットの提供も大阪府歯科医師会の大事な仕事です。