院長ブログ

外傷による歯の脱落・親知らずは抜かなければいけないの?

外傷による歯の脱落

外傷により歯が抜けた場合でも、元に戻せます。
歯の外傷は(1)歯の一部が欠けるかまたは折れた場合、(2)歯が骨からたるみ(脱臼)、生えている位置が変化した場合、(3)脱落した場合が考えられます。

歯が脱落した場合はすべての歯が再植によりもとに戻るわけではありませんが、処置をするともとに戻る可能性はあります。

ただし、再植が成功するためには、脱落後1時間以内に処置をすることが重要ですので、可能であれば、すぐに歯科医院を受診されることをお勧めします。脱落した歯の保管方法ですが、歯が乾燥すると歯根に付いている歯根膜の細胞が死んでしまいますので、必ず液体中に保管してください。砂などの異物が大量に付着している場合はさっと水洗いをしてもかまいませんが、浸透圧の違いがありますので、水道水中には保管しない方が重要です。

脱落した歯の保存に利用できる液体は(1)0.9%の生理食塩水、(2)スポーツ飲料水、(3)コンタクト保存液、(4)牛乳、(5)再植用保存液が考えられますが、その中で牛乳が最も身近なものだと思いますし、実験でも良好な結果が出ています。

また、可能であれば口の中に含んでいただいてもかまいません。この場合は上の大臼歯とほおの間に耳下腺のだ液のでてくる場所がありますので、そこへ挟むようにしてください。

再植の処置は脱落した歯を前後の健全な歯にさまざまな方法で固定し、一般的には3~4週間経過観察を行いますが、歯の神経の処置が必要な場合もあります。歯の再植は必ず成功する処置ではない事をご理解いただき、処置に関しては、かかりつけの歯科医師と十分にご相談ください。

親知らずは抜かなければいけないの?

第3大臼歯は奥歯のなかで最も奥に位置している歯のことで、一般的には「親知らず」と言われています。親知らずが横を向いている場合、元々すべての歯は、通常は歯ぐきをまっすぐに破って口の中に生えてきます。しかし、第2大臼歯の後ろにあって、正常の歯の方向に対して斜めや、真横に親知らずが成長してきた場合、その親知らずは、元来の歯の機能、つまり物をかみ砕くことができないわけです。

斜めの親知らずが一部でも歯ぐきを破って口の中に姿を見せると炎症がおこりやすく、この炎症状態は智歯歯周炎と呼ばれます。症状は歯ぐきが腫れたり、膿を持ったり、口がひらきにくくなったりします。智歯歯周炎は普通は洗浄などの処置と服薬でいったんは治りますが、原因歯を抜かなければ、何度も繰り返すことが予想されます。一度腫れたのであれば抜歯をする方が賢明いでしょう。

親しらずが横に骨の中に埋もれている状態(水平埋伏智歯)でも、なんの問題も起こさず経過する場合もありますが、手前の第2大臼歯を後ろから押すことにより、歯列が乱れてくる原因になることもあります。特に歯科矯正治療には、親知らずが矯正された歯に影響を与える場合もありますので、主治医の先生の説明を受け支持に従ってください。

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