■抜歯について
抜歯を宣告されましたが抜きたくないと思うことがありますね。この場合、二通りが考えられます。抜歯の必要性がわかっていても気持ちに踏ん切りがつかないだけなのか、抜歯の必要性自体が理解や納得できないからか、どちらでしょうか?
単に気持ちの踏ん切りがつかない場合には、踏ん切りがつくまで待つしかありません。必要性自体が理解や納得できない場合には主治医の先生にきちんと説明をして貰いましょう。なぜ抜歯しないといけないのか、抜歯しないとどうなるのか。どんな治療もそうですが、物事には二つの面があります。
それをすることによってもたらされる利益(痛みや腫れが治まる、など)と不利益(怖い、歯を入れないといけなくなる、など)です。主治医の先生が抜歯することの利益の方が大きいと判断された場合は抜歯をお勧めします。
たとえ現時点であなたが不利益を感じてなくても、将来不利益に直面するだろうと容易に判断できる場合も多々あります。説明を求めれば必ず答えてもらえるはずですし、その義務が歯科医にはあります。
もしもあなたが抜歯をしない場合に想定される不利益をきちんと理解し、またそれも承知の上で抜歯をしないと決めたのなら、それを覆して無理に抜歯をする権利は医師にはありません。その際には次善の策を講じることになります。
抜歯の必要性も理解し、気持ちも固まれば、抜歯の日程を決めることになります。歯の状態によりさまざまですが、一般的には抜歯後に腫れたり痛んだりということは十分考えられますので、旅行や宴席など大事なイベントの前の少なくとも一週間は避けるよう にした方が賢明でしょう。
■親知らずは抜いたほうがいい?
親知らずとは、一番奥に生えてくる歯で、正式には「第三大臼歯」といいます。最近ではもともとない方もいますが、昔の人は寿命が短く、親知らずが生えてくる頃にはすでに親が亡くなっているというのが名前の由来だと言われています。
親知らずは、正常に生えてこない場合や、歯ぐきや顎の骨の中に埋まったままの場合もあります。生え方や埋まり方によっては、歯ぐきが腫れたり、強い痛みが出たり、また、うみがたまり口臭がしたりすることがあります。炎症がひどくなると、顔が腫れ、口が開けられなくなることもあります。
また、親知らずとその一つ手前の歯との間はむし歯になりやすく、両方の歯がむし歯になってしまうこともあります。
生え方によっては、手前の歯の根を吸収させてしまうこともあります(放置していると、場合により親知らずと手前の歯の両方を抜歯しなければならないこともあります)。
生え方によっては、歯並びや噛み合わせを悪くする原因の一つにもなります。
このため、親知らずは抜歯することも多いのですが、親知らずの抜歯は比較的難しい処置になることもあり、特に下の親知らずは抜いた後、顔が腫れ、長期間板が続くことも少なくありません。また、親知らずの根の近くを下唇の周りの感覚を感じる神経が通っており、術後にしびれが残る場合もあります。
逆に正常に生えている場合は、親知らずだからといって抜歯する必要はありません。
抜歯が必要かどうかは、レントゲン撮影などを行い、総合的な判断が必要です。奥歯の歯の方に違和感や痛みがある場合は泉田歯科医院でご相談ください。