基本的に歯科治療が出来ない時期はありません。 お母さんの体の状態・赤ちゃんの状態を併せて、それぞれの時期(前期・中期・後期)での歯科治療の留意点を考えてみましょう♪
妊娠の初期は胎児の各器官の形成期であり、 母体にとっても胎盤の成熟期です。したがって妊娠中で一番不安定な時期といえます。 この時期の歯科治療としては、 除痛を目的とした対処療法に留めておいたほうが良いでしょう。
妊娠の可能性がある時は歯科医師に申し出てください。つわり等もありますのでくれぐれも無理はしないで下さいね!
中期は胎児・母体とも一番安定している時期といえます。この時期にできるだけの処置をすると良いでしょう。
抜歯等の治療もほとんど問題はありませんが、 特に不安を抱かれる方は可能なら出産後に処置しましょう。
ただ、お薬の服用には注意点もありますので、 歯科医あるいは産婦人科医の先生ともよく相談するようにしましょう。
妊娠後期になると子宮底がみぞおちのあたりまで下がって、 心臓や肺も圧迫されえるため、動悸や息切れが頻繁になります。
この時期もあまり問題なく歯科処置が可能ですが、 ただ同じ姿勢を長い時間続けていると腹部を圧迫して苦しくなることもありますので、 治療時間など歯科医に相談されると良いでしょう。
どの時期にも共通して言えることですが
決して無理はしないでくださいね!
私たちは日常生活の中で常に自然放射線と呼ばれている微量の放射線にさらされており、これを自然被曝と呼びます。
自然被曝には太陽や宇宙空間から降り注ぐものなど ごく身近なとことに存在しています。 妊娠中にレントゲン撮影すると放射線による被曝が胎児に影響を及ぼすのではないかと心配される方も多いと思います。
歯科でのレントゲン撮影に際しての被曝は一日の自然被曝の約3分の1以下で、 被曝としてはごく微量です。 従って過度に心配される必要はありません。
授乳中に歯科治療を行う際に、局所麻酔注射が必要な場合があります。 局所麻酔は母乳中に移行しますが、乳児に与える影響は少なく アメリカ小児学会の見解では授乳時にもしようしても良いとされています。
同様にお薬が必要な事があります。 多くの場合は母乳中に移行する量は母親に投与された薬の1~2%を超えることはありませんので、 乳児に与える影響は非常に少ないと言われています。
ただ、乳児の場合特に生後1週間以内の新生児においては、 薬を代謝する能力が不十分ですので注意が必要です。 そのような場合は、人工乳(ミルク)を用意したり、 事前に母乳を搾乳して保存しておくようにして下さい。
母乳育児中の薬の飲み方の基本は、 1日のうちで最も授乳間隔が空くようにできるだけ授乳の終了後に服用して下さい。 母乳から赤ちゃんへの影響を最小限にすることができます。
歯の痛みを無理に我慢するよりも、 薬が必要な場合は服用し、 早く楽になって赤ちゃんに笑顔で接してあげてください。
赤ちゃんの歯は妊娠中に出来ます。 早いものは妊娠初期から作られ始めるので、この時期にしっかりカルシウムを摂ることで、 丈夫な歯になります。
生えてくる歯が本質的に強いか弱いかは、 歯が出来上がるまでの食事の内容が大きく影響します。
しっかりカルシウムを摂って丈夫な歯を赤ちゃんにプレゼンしましょう!
妊娠中のカルシウムの一日必要量は900mgですが、 所要量の6~7割程度しか摂取出来ていないといわれています。
授乳期には妊娠期以上の一日1100mgのカルシウムを摂りましょう。 案外妊娠期よりカルシウムが摂れていません。 あなたとあなたの大切な赤ちゃんの為に、 授乳期にも食事のバランスに気をつけましょう。
普段の食生活でどのくらいカルシウムを摂れているのか是非チェックしてみて下さい♪
100mgを1点として、妊娠期は9点・授乳期は11点・成長期の子どもは9点・成人は6点が目標です。
赤ちゃんの歯は妊娠中に作られます。 また、永久歯も早いものは妊娠4カ月頃から作られますので、この時期にカルシウムだけでなく バランス良く良質のたんぱく質・鉄分・ビタミン等も摂り、 強い歯を赤ちゃんにプレゼントしましょう。
妊娠による身体の変化だけでなく、お口の中の環境も変わってきます。 これは、妊娠によるホルモンバランスの変化や食生活の変化・つわりの影響で磨く事が出来ずお口の中の環境が悪くなってしまい、 次の様な症状がみられます。
妊婦さんのお口には、歯肉炎や歯周炎が比較的多く見られます。 その原因は、つわりや間食の増加などによって歯磨きを充分に行えないなどの理由で、お口の中が不潔になりやすいこと、 及び女性ホルモンの増加などの影響で炎症症状がより強く現れるためと考えられています。
一方、歯周炎をもつ妊婦は早産や低体重児を出産する確率が高くなるという報告がなされています。 北海道医療大学による疫学調査では、 歯周病の妊婦は、そうでない妊婦に比べ、 約5倍も早産になりやすかったという驚くべき結果が出ています。
海外のデータでも、歯周病が進んだ妊婦では早産および低体重児出産の危険性が7倍高まるといった報告や、 歯周病が進んだ妊婦ほど早産の頻度が高かったという報告などがあります。
日頃から歯科医院に通って定期的に専門家による お掃除をすることで防ぐ事が出来ます。
“妊娠したらむし歯になりやすくなった…”と御自身・周りの方が言ってるのを耳にしたことはないでしょうか? 妊娠するとむし歯になりやすくなると言われていますが、 妊娠中にむし歯が増えるという証拠はなく、直接の関係はないのです。
しかし、つわりや間食の増加のためにお口の中の清掃が不十分だったり、 女性ホルモンの増加により唾液の性状が変わる為、むし歯になりやすい状態になると考えられています。
歯ぐきにできる良性のできもので、 主に妊娠3カ月以降にみられることがあります。 強い赤みを帯びた出血しやすいできもので、 分娩とともに小さくなって自然消滅することが多いです。
原因として、機械的刺激と感染による炎症性刺激などの外的原因に加え、 女性ホルモンの変化(妊娠)による内的原因が大きく関与していると考えられています。
先述したように、妊娠期間中はホルモンバランスの変化によって歯肉炎が起こりやすくなっています。
また、つわり等で歯磨きを行うことも容易ではなくなってしまいます。さらにそれらが重なるとお口の中が不潔になり、歯肉炎の症状が悪化し、歯ぐきの痛みによって歯磨きが困難になります。
こんな時は、以下の事を心がけてください。
1)小さめの歯ブラシを使う(ワンタフト等)
2)柔らかめの歯ブラシを使う
3)歯ブラシの動かし方を小さくする
4)前屈み気味で、前に汚れを掻き出すように磨く
5)匂いの強い歯磨き粉は避ける
6)出来る時に何回かに分けて磨く
7)歯磨きが出来ない時は、甘いもの(ジュースやお菓子等)等を避ける
8)こまめにうがいをする。オラブリス等のフッ素洗口剤やコンクール等のデンタルリンスを使う
つわりの時期は、あまり神経質にならず調子の良い時に磨くという位の気持ちでいきましょう♪
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