歯の豆知識

知っておきたい「むし歯」のキホン

お元気ですか? 守口市ただ今(午前11時30分)の気温は9℃曇天です。“歯科の豆知識”今日のテーマは「知っておきたい『むし歯』の基本」です。ご参考になれば幸いです。

知っておきたい「むし歯」のキホン

今回は、誰もが経験する可能性のある「むし歯」についてお話しします。子どものころから予防するよう言われてきたむし歯。原因や対策については、子どものころに何度も聞かされてきたのではないでしょうか。

しかし、その内容をくわしく覚えている人はほとんどいないかも知れません。

今回は、そんな疑問にお答えしながら、むし歯のメカニズムから治療法、そして予防の大切さについて解説していきます。

「むし歯って、どうしてできるの?」「治療ってどんなことをするの?」と子どもに聞かれてもいいように、何より自分がむし歯になってしまわないように、むし歯の基本知識について学びなおししてみましょう。

■むし歯はどうやってできるの?

むし歯の発生にはいくつかの条件がそろう必要があります。ここではその条件がどのようなものかおさらいし、むし歯ができるまでのプロセスを学びましょう。

ひとつ目の原因は細菌(ミュータンス菌など)です。むし歯の原因となる細菌は、私たちの口の中に常に存在しています。これらは、歯みがきやマウスウォッシュなどをしても全てがいなくなることはほとんどありません。

食事で摂った糖分は、むし歯菌の大好物。むし歯菌は糖分をエサにして増殖し、時間をかけて歯を溶かす酸を作り出します。そのため歯みがきをせずに睡眠したり、だらだらと甘いものを食べ続ける生活を送っていると、むし歯のリスクが高まってしまいます。

歯の質は人それぞれ。生まれつき歯が弱い人や、唾液の量が少なく、お口の中が乾燥しやすい人などは、むし歯になりやすい傾向があります。実は唾液には殺菌効果があるのです。

これらの要素が重なり合うことで、むし歯は発生・進行していきます。

むし歯菌が歯の表面に付着すると、歯垢(プラーク)と呼ばれるネバネバとした膜を形成します。その歯垢の中でむし歯菌が糖分を分解し、歯を溶かす「酸」を出します。

はじめのうちは歯の表面(エナメル質)が白く濁る程度で、自覚症状はほとんどありません。しかし放置すると、エナメル質のさらに下(象牙質)へとむし歯は進行し、冷たいものや甘いものがしみるようになります。さらに進行すると、歯の神経にまで到達し、激しい痛みを引き起こすことも。日々の歯のケアが大事です。

 

■むし歯の進行段階と治療法

むし歯には進行度合いがあります。C0からC4です。この進行のレベルによって、治療法は異なってくるのです。

C0(初期むし歯)は、歯の表面が白く濁っている状態。フッ素塗布や正しい歯磨き指導によって、再石灰化を促し、進行を抑制します。

C1(エナメル質むし歯)は、エナメル質に小さな穴があいた状態です。むし歯の部分を削り、レジン(歯科用プラスチック)を詰めて修復します。治療に痛みはほとんど感じません。

C2(象牙質むし歯)は、むし歯が象牙質まで達した状態です。冷たいものや甘いものを口にするとキーンと痛みが走ります。むし歯の部分を削り、レジンを詰めたり、インレー(詰め物)を装着したりします。

C3(歯髄炎)はむし歯が歯の神経にまで達し、炎症を起こしている状態。日常的に歯に強い痛みを感じている段階です。根管治療(歯の神経を取り除き、根管を洗浄・消毒する治療)を行います。
C4(歯根破折)は、歯冠がほとんど崩壊し歯根だけが残った状態です。抜歯が必要となる場合が多いです。あごの骨にまで細菌が到達してしまうと、骨膜炎になってしまうことがあります。

■あなたの歯を守る3つの習慣

むし歯は、適切なケアをすれば予防できる病気です。毎日の生活の中で、以下の3つの習慣を心がけましょう。

なんといっても大切なのは毎食後の歯磨きです。 食後は、歯ブラシを使って丁寧に歯を磨き、食べかすや歯垢を取り除きましょう。歯と歯の間は、歯間ブラシやデンタルフロスも活用すると、より効果的です。

次に甘いものを食べ過ぎないことも大切です。甘いものを食べる習慣は、むし歯菌を増殖させ、歯を溶かす酸を作り出す原因となります。

そして定期的な歯科検診です。歯科医院で定期的に検診を受けることで、むし歯の早期発見・早期治療はもちろん、歯のクリーニングやフッ素塗布などの予防処置を受けることができます。

むし歯は、早期に発見し治療すればするほど、歯を削る量を少なく、そして治療期間も短くすることができます。毎日の予防を心がけていきましょう。

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