院長ブログ

親知らず、抜いたほうがいい? ・抜歯について

親知らず、抜いたほうがいい?

親知らず(親不知)とは、一番奥に生えてくる歯で、正式には「第三大臼歯」と言います。
最近では元々ない方もいますが、昔の人は寿命が短く、親知らずが生えてくる頃には既 に親が亡くなっているというのが名前の由来だと言われています。

親不知は、正常に生えてこない場合や、歯ぐきやあごの骨の中に埋まったままの場合もあります。生え方や埋まり方によっては、歯ぐきが腫れたり、強い痛みがでたり、また、うみがたまり口臭がしたりすことがあります。炎症がひどくなると、顔が腫れ、口が開けられなくなることもあります。

また、親知らずとその一つ手前の歯との間は虫歯になりやすく、両方の歯がむし歯になってしまうこともあります。(放置していると、場合により親知らずと手前の歯の両方を抜歯しなければならないこともあります)。生え方によっては、歯並びやかみ合わせを悪くする原因の一つにもなります。

このため、親知らずは抜歯することも多いのですが、親知らずの抜歯は比較的難しい処置になることもあり、特に下の親知らずは抜いた後、顔が腫れ、長時間痛みが続くことも少なくありません。また、親知らずの根の近くを下唇の周りの感覚を感じる神経が通っており術後にしびれが残る危険性も考えられますので、総合病院や大学病院の口腔外科で抜歯が必要な場合もあります。逆に正常に生えている場合は、親知らずだからといって抜歯する必要はありません。

抜歯が必要かどうかは、レントゲン撮影などを行い、総合的な判断が必要です。奥歯の奥の方は違和感や痛みがある場合はかかりつけの歯科医院でご相談ください。

抜歯について

抜歯をしなければいけないと宣告されましたが抜きたくないと思うことがあります。この場合二通り考えられます。抜歯の必要性が分かっていても気持ちに踏ん切りがつかないだけなのか、抜歯の必要性自体が理解や納得ができないからか、どちらでしょうか?

前者の場合歯には、踏ん切りがつくまで待つしかありません。後者の場合には主治医の先生にきちんと説明を求めてください。なぜ抜歯しないといけないのか、抜歯しないとどうなるのか。どんな治療もそうですが、物事には二つの面があります。それをすることによってもたらされる利益(痛みや腫れがおさまる、など)と不利益(怖い、歯を入れないといけなくなる、など)です。主治医の先生は抜歯することの利益の方が大きいと判断されたのだと思います。

たとえ現時点であなたが不利益を感じておられなくても、将来不利益に直面するだろうと容易に判断できる場合も多くあります。説明を求めれば必ず答えてもらえるはずですし、その義務が我々歯科医にはあります。もしもあなたが抜歯をしない場合に想定される不利益をきちんと理解し、またそれも承知の上で抜歯をしないと決められたのなら、それを覆して無理に抜歯する権利は我々にはありません。その際には次善の策を講じることになります。

抜歯の必要性も理解し、気持ちも固まれば、抜歯の日程を決めることになります。歯の状態によりさまざまですが、一般的には抜歯後に腫れたり痛んだりということは十分考えられますので、旅行や宴席など大事なイベントの前の少なくとも一週間は避けるようにした方が賢明でしょう。

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